モザイクシリーズ

製作の話

前記事の試みの行き着いた先を書く。

あなたは二つのことを知る。

モノを作る人間の頭の中、思考がズレる過程。
と、
作品から得られる体験。


1stスカルでの実験は、
モザイクスカルを経て、ひとつのシリーズとなる。

この作品はあなただけの体験を生む。

一方、
作る過程でオレは、別の自分に気づいた。

今日はその話。



■直線を入れたら…
1stスカルを作った後も、
別のアプローチの仕方はないかな~? 
と考えていた。

やりたいことは、
「2次元でできることを3次元で表現する。」

3次元で
境界線をぼかしたい、輪郭を曖昧にしたい。

ふと、
直線を入れたらどうなる? 
とアイデアが浮かんだ。

1stスカルは、
影・線を増やすために凸を作った。

凸部分はランダムな縦に長い形。
基となる水彩画の筆の動きから、こうなった。

今回は
凸部分を直線で構成したらどうか?
ほぼ正方形、立方体で。

スカルを構成するのは、曲線・曲面だ。

ここに突如、
直線や直角が介入してくると、
輪郭に影響を与えるのではないか?

「空間の違和感」を生むのが狙い。


■違和感を作るために
1stスカルと同じく、
光、影、イブシ、線、テクスチャを使う。

新たに取り入れた手段が以下だ。

・凹凸部を正方形に統一
  →対比を強調

・凸部分に厚みを持たせる 
  →側面も利用

・モザイク部分にストーンを入れる
  →光の粒を強調、鋭い光を作り出す

・片目を貫通させる 
  →光を取り込む、穴の向こう側も利用

スカルだけじゃない、
スカルの周りの「空間ごと作る」。



■モザイクシリーズ
これも試行錯誤の結果。
正解かどうかはわからない…。

ただ、
目的が明確になり、
使える手段を増やすことができた。

納得感は今回の方が強かった。

何気なく描いた水彩画
 ↓
1stスカルリング
 ↓
モザイクスカル

繋がっている。

この実験結果を横に広げる。

「概念」を
他のデザインにも取り入れる。

これがモザイクシリーズ。



■ズレた…
一連の
2次元だからできることを3次元で表現する
という
概念に触れる試みは、オレ独自のものだ。

作品に
独自性を反映させることでオリジナルになる。

見れば
「あぁ、あのブランドの作品ね」 と認知される。

モザイクシリーズを作品の核とする。

普通なら…。

だが、
この後の作品はそうならなかった。

オレの興味は、
「ラインを明確に作ること」に移っていく。

真逆だ。

自分でも意外だった。


■別の自分
モザイク部分を作る時、
角、面をはっきり出すことを意識する。

そのことに妙に拘っていた。

初めは、
目的の為に拘っていると思っていた。

ワックス原型が完成したとき、
目的の為にやるべきことはできていた。

だが、


このラインがおかしい…。
この面の角度が違う…。
ここが平行じゃない…。 

凹凸部分単体の修正を繰り返した。

自分でも不思議だった。

目的の為の動きじゃない。
なんで異常に固執するのだろう?

作品を生み出す時、とことん自分と向き合う。

…。

そして気づいた。

オレは、
ラインが明確なモノを作りたいのだ。

実験して、結果を得て、次の段階へ進んだ
ってことじゃない。

実験中に別の自分に気づいた。

これにはオレの胸の奥深くにある
2次元に対してのコンプレックスが関係している。

気づいたのは、ごく最近…。

正解のはずなのに、迷い・違和感を感じる。

何かを生み出そうとしていると、
それまで見えなかったものに気づく。

意図していない。
気づいたら、そこにあった。

行動した先にしか見えないものがある。

オレが見たのは、別の自分だった。

一連の試みは、
それに気づくきっかけとなった。

モザイクスカルは作風が変わる転換点だ。

あなたが
モザイクスカルを指にはめて、手を動かす。

角度を変えるたびに、見え方が変わる。
輪郭がはっきりしたり、崩れたり。

「空間の違和感」を体験する。

何回も角度を変えて見てしまう。

「こんな表情もあるのか」
「ここで変わったな」
「この角度、いいな」

一人で眺めて、少しニヤニヤする。

光の当たり方、影の出方、自分の動き。

同じ条件は二度と揃わない。

だから、
その表情はもう二度と見ることはできない。

その瞬間に見たものは、あなただけのものだ。

次に見ると、また少し違う。

だから、また手を動かしてしまう。

モザイクスカルを見てみる

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