1st スカルリング 。

製作の話

このスカルを
持っている人も、これから手にする人も。

作った理由を知ると、見え方が変わる。


なんだこれ?
スカルだろうけど、デコボコしたの何?

この形は
2次元でしかできない事を3次元でやろうとした結果

今日はその話。



■始まりのスカルリング

初のオリジナルアイテムとして作ったリング。

一番最初に作ったスカルリングだから、
1st スカルリング 。

はっきり覚えてないくらい前のもの。
2006年くらいか。

ガキの頃から、闇、影のあるものが好きだった。
正義の味方より、悪役、ダークヒーロー。

そんなダークなものの象徴、スカル。

最初に作るアイテムはスカルだと決めていた。


■求めたイメージ

スカルに求めるものは、不気味さ。
目で見る恐さではなく、感じる怖さ。

この感覚、わかる人いるんじゃないかな?

怪獣の恐さじゃなくて、
幽霊のような、背筋がゾッとする怖さ。

イメージのまま描いた水彩画がある。これだ。

ヒマな時にささっと描いたもの。

この水彩画を具現化することにした。


■問題アリ

具現化するといっても問題があった。
これは
アクセサリーを作るために描かれていない。

デザイン画(設計図)ではなく、イメージ画だ。

この水彩画のスカルにあるのは、
「雰囲気」、「空気感」。

形のないもの。

これをアクセサリーで表現したい…。
ムズカシイ…。

この雰囲気を作っているものは何か?

それは、
筆の勢い
カスレ
線を重ねて輪郭を曖昧にしているところ など。

つまり、
スカル以外のところが「雰囲気」を作っている。

これは2次元(画像)だから成り立っている。
これを3次元(立体)で表現したい。

これは、技術とか技法の話ではない。

「概念」の話になる。
「考え方」を置き換えることが必要。

どうしたもんか…?


■完成したのが…

掴みどころの無いものをなんとか形にしたのがこれ。

光、イブシ、影。

これらを使って、
筆の勢い、線の重なり、カスレなどを表現した。

・凸を作ることで、段差に影を作る
 → 線を増やした。

・凸部の周りにはイブシが残る
 → イブシの黒で濃淡を作る。

・プレーンな面は粗めの鏡面仕上げ
 → モヤモヤと光らせる。

・凹凸を多くする
 → 複数の箇所が変則的に光る。
   「光の粒」を作る。


■試み

1個目から、かなり実験的な作品になった。

この作品でやりたかったことは、

2次元でしか成立しない事を
3次元で表現したスカルを作る

という試み。

なぜ、スカルがこの形になったのか?

境界をぼかしたい、輪郭を曖昧にしたいから。

この形が正解だと腑に落ちてるわけでもない…。

それは20年近く経った今も。
とても難しい…。

この時はまだ自覚してないが、

オレは
「制限のある中でのモノ作り」が好きらしい。

課題を設定してから作る。

制限をクリアして、作品を完成させた時の達成感。
作った本人しかわからないであろう納得感。

こんな感覚を求めているんだろう…。

試行錯誤。これが楽しい。

このリングを手にした人が、

光の当たり方で毎回違う表情を見つける。
そして、
使い込むほど、その表情が変わっていくのを知る。

気づけば、自分だけの1本になってる。

リングの完成は、手にした人が作る。

それがこのスカルリングの正解だと思ってる。


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